「ダート・プロシージャ」で体の探求 その2

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それでは前ブログに続いて「ダート・プロシージャ」を実践してみましょう!

まずは「セミスパイン」、仰向けになって膝を立てます。これが基本の機能的なスタンバイ位置です。頭の下には本の枕、手は肋骨の上に置いて、目はちゃんと開けておいて眠らないでください。

よく面倒くさがって「朝、起きた時に布団の中でやればいいかも~」とか、言い出す人がいるんですよねえ。別にやりたければ、そうやっても害はありません。でもそれだと「ダート・プロシージャ」で得られる効果は一つもありません。

やはり「何のために実践するのか?」っていう目的意識をちゃんと理解していないと、馬の耳に念仏、猫に小判、ブタに真珠、犬に論語・・・etc となってしまいます。瞑想や座禅もそうなんですけど、一番大切で肝心なのはそこんとこなんですよね。

それで背中と床との接触をじっくりと観察してください。

呼吸に合わせて自分の背中はどのように動いているのか・・・この動きは背中だけじゃなくて下腹部や胸でも起こっている・・・心臓の鼓動は波となって全身に伝わっている・・・

自分の内と外に、いろんな発見をしてください。そうした「静」の観察をしばらく続けて、心と体が鎮まってきたら、片脚ずつゆっくりと伸ばします。

このとき「脚を伸ばす」という思いが運動神経を通って、どのように筋肉に反応するのか・・・感じ取りながら脚を伸ばします。

もう片方の脚も「思う」という行為がどのように脚に作用するのかを感じ取りながら伸ばしましょう。

両足とも伸ばしたのでこの状態は「セミスパイン」➠「スパイン」になりました。

次は左右の腕を床の上を滑らせて、十字架のポジションにします。やはり動作時には「思い」から生じる筋反応に注目してください。いったいどこの部位の筋肉から動きが始まるのか?

さらに腕を頭の上まで滑らせて、本の枕を外しちゃいましょう。腕は気持ちの良い場所に置いてください。これで「スパイン」➠「フルスパイン」になりました。

さて背中と床との接触状態はどのようになりましたか?

普段の生活習慣ではそんなことは考えもしないはずですが、「ダート・プロシージャ」では簡単に体の新しい感覚体験ができるんです。

ただし実践者は上記のプロセスを慎重に感じる必要があります。筋トレのように音楽聴きながら、ただ単純にやるのとは、わけが違う・・・これは体操ではありません!

次は横に転がりましょう。この動作は誰でも簡単にできますけど、動きの性質としては、かなり複雑な筋反応を要するんです。

ゆっくりと転がり始めますが、いったいどこの部位の筋肉がその動力源になっているのか・・・腕と脚はどのように転がる動きに関わっているのか・・・やってみると奥が深いんですよね。

それで完全にうつ伏せになります。「フルスパイン」➠「プロン」になりました。

こんなふうに自分自身の観察を研ぎ澄ませながら機能的な動きを探求すると、また別な体の感覚が芽生えて、日常での体の動きが自然でなめらかなものに変わりますよ。オフィスワークで疲れた体の持ち主にとっては、自宅でできるとっても良い「リラックス&リフレッシュ」のエクササイズになりますね。

「ダート・プロシージャ」はこの先もまだいろんな体の流れにつなげていくんですけど、長くなりすぎるので今回はここまでにしておきます。